ジャズと歴史にまつわる話
History of Jazz

ジャズ雑誌・音楽雑誌

 ジャズやポピュラー音楽の雑誌の歴史は古いものがある。ものの本には、世界初のジャズ雑誌は、フランスのJazz hotと書かれていた。現在のWikipediaにもそう書いてある。Jazz Hot創刊は1935年(昭和10年)であると。


Jazz Hot

私が編集したジャズ年表には、21年前にそのように書いた。最近のネット上での記事に「休刊になるかも?」と書かれている。確かなことは不明である。

 ところで、アメリカのDOWNBEATは1934年シカゴで創刊されたと書かれている。1年早いじゃないか!何故、Jazz hotが「世界初の」なのか???

DOWNBEATはジャズだけでなく、「ジャズ・ブルース・その向こう」という「ジャズに至る、より広いジャンルの音楽雑誌」との謳い文句で出来たもので、ジャズに限った雑誌ではないという意図があったものと思われる。


Down Beat

 ポピュラー・ソングのヒットチャートを書いて有名になったBilllboardは更に古く、1894年11月に「Billlboard Advertising」という誌名で創刊されている。1914年、初めて全米のポピュラーソング・ヒットチャートを掲載した。

 
Billlboard

BilllboardのヒットチャートでNo. 1になった歌のページが、 ⇒ 1930年代ヒットチャートNo. 1

坂本 九の「スキヤキ」が、1963年、Billlboard Hot 100で3週連続#1になった。

 日本では、戦後、1947年にSwing Journalが創刊され、ジャズの大先輩たちが編集長を務めてくれた。亡くなった岩波洋三さんは、サリナ・ジョーンズが大好きでサリナのライブでは必ず会い、同じテーブルで話しながら聴いたのが懐かしい。

 
Swing Journal

しかし、2010年7月号を以って休刊となった。購読者数と広告収入の減少により立ち行かなくなったのだが、三森隆文編集長を含む、スイングジャーナル社を退社したスタッフが、翌月にJazz Japanを創刊した。Swing Journalを引き継ぐ形だ。


Jazz Japan

現在、Jazz Japanを含めJazz批Jazz Lifeが出版されている。


Jazz批評

 
Jazz Life

 音楽ファンの数から言ったら、圧倒的にクラシック・ファンが多い。したがって、音楽雑誌に於いてもその数は段然多い。音楽之友社はかつては私の学生時代からの知り合いがオーナーでした。


クラシック音楽雑誌

更に声楽や楽器ごとにも専門雑誌が発売されている。


声楽・楽器別雑誌

■    

 われわれが若者の時代は、情報は本、事典や雑誌など「文字で書かれた書籍」から得るのが普通だった。

最近は、電車の中で何をしているのか。スマホでSNSを眺め、カチカチとゲームをし、マンガを読んでいる。そして、昼飯に食べたラーメンの写真をFacebookにアップ。大宅壮一が生きていたら何と言うでしょう。

われわれが中学生の頃は、電車の中で岩波の文庫本が流行りでした。高校生の頃は週刊誌でした。オジサンは日刊スポーツを邪魔にならないように小さく折って見ていました。先ず、縦に4つ折りするのです。

この頃、ホームページにアクセスする人間が激減しました。情報の一方通行は嫌われ、読者も参加型のSNSが大流行しています。自分が書き込んだ文章やアップした写真がネット上に出るのが楽しい、嬉しいらしい。チャットやLineでのやり取り。誰かが「いいね」してくれると、また、何か上げる。

中には為になるいい記事を上げる人もいるが、大多数はクダラナイ!

学生たちが書いていたサークルや部のホームページは、形だけになりつつある。FacebookやTwittterにグループを開設し、書き込みごっこを一生懸命にやっている。実際、現役のサイトはやっと生きているのが精一杯と見える。

毎日、Facebookに記事を書いている後輩に、「クラブのOBサイトに何か随筆でも書かないか?」とメッセンジャーに書いたら、「随筆は見ていません」だった。Facebookerという人種です。還暦を過ぎたオジサンがです。

ものごとを知りたい人は、決まったようにネット検索をする。検索に応えられるいいホームページは、読者が逃げることはない。

神奈川県のFM局のパーソナリティ、菅久美子さんが週一で、ジャズの番組を持っている。番組で使う曲の解説のための情報を得るのに一番手っ取り早いのが「ネット検索」だという。曲名、歌手、演奏者、作詞・作曲家で検索をすると「Jazzにまつわる話」のページにヒットするのだと言う。

20年程前には、熊本のFM局の森永節子さんは、オージーサンズのコーラスを番組で流し、更には、リアルタイムで電話インタビューもありました。

(2019/09/18)


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