歌と歌手にまつわる話

(80) ハービー・トンプソン Here's To Life
  English Version


Harvey Thompson(1956- )


Artie Butler(1942- )
Shirley Horn(1934-2005)


Phyllis Molinary(1937-2011)

デトロイト生まれで、大阪に住んでいるジャズ歌手のHarvey Thompsonが赤坂のB flatに来ると、オーナーの杉谷宏幸さんから連絡があり初めて聴きに行きました。私に聴かせたい人が来る時はお知らせがあるのです。2003年のことです。2002年に来日といいますから次の年に出会ったというわけです。

脳天を一撃されるほどの素晴らしいボーカルを聴かせてくれました。あまりの凄さにぶっ飛んでしまったのです。

当夜は1ステージだけのライブでしたが、約1時間、爵士樂堂は金縛りにあったように、タバコにも火をつけず、グラスにも手をやらず、ただただ微動もせず、固まって聞き惚れていました。

”Here's To Life”を聴いてひっくり返りました。

翌2004年の2月に「八ヶ岳ジャズストリート」というジャズフェスが開かれたのですが、爵士樂堂の従弟がプロデューサーでしたので、5組のミュージシャンのグループを推薦・紹介をしました。その中の1人がハービー・トンプソンです。皆さんに喜んでもらえたはずです。

さて、この歌を作曲したのはArtie Butlerという男です。若い頃はロック系です。それが凄い歌を書いているのです。作詞はPhyllis Molinaryです。

現在、彼の本業はComposer, Arranger, Song Writer, Music Director, Record Producerというのです。

子供の頃は、アーサー・ルービンシュタインかエロール・ガーナーかオスカー・ピーターソンのようにピアノが弾きたい。ちょっと大きくなって、ベニー・グッドマンのようにクラリネットが吹きたい。さらに、今度はジーン・クルーパかバディ・リッチのようにドラムが叩きたい。最後は、ライオネル・ハンプトンのようにヴィブラフォンが演奏したい。という具合に何でも本気でやってみないと気がすまないというのです。

”Lock Stock & Barrel” という歌を13歳の時にシングル盤でプロフェッショナル・レコーディングをやってのけています。

このようにマルチなバトラーは、現在では肩書きの通りあらゆる音楽活動をしているのですが、1990年に”Here's To Life”を出版し、それをシャーリー・ホーンが歌い”Here's To Life”というアルバムを1992年に出していました。

バックのオーケストラはジョニー・マンデルのアレンジです。何もかも超一流です。グラミー賞まで取ってしまいました。

ハービーの歌はシャーリー・ホーンに勝るとも劣らない熱唱です。どんなものか聴いてみてください。裏切られることはありません。

他所ではなかなか聴けないハービーのHere's to Lifeです。(2004/11)

 

by Liane Wakabayashi

シャーリー・ホーン71歳で没

シャーリー・ホーンはこの何年かは乳がんと糖尿病と関節炎と闘い、脚も切断し満身創痍の日々を送っていました。2005年6月に脳卒中で倒れ療養中でしたが、2005年10月20日に亡くなりました。71歳でした。合掌

アルバム”Here's To Life”をレコーディングするに当たって、マイルス・デイビスが2曲に参加することになっていたのだそうです。しかし、レコーディングが実現する前に、マイルスは死んでしまいました。

そこで「マイルスに捧げて」吹き込まれたのだそうです。

数年後の後日談ですが、ハービーは現在は東京に住まいを移しています。解散したシャープス&フラッツのトランペット、マイク・プライスは私のところに毎月のスケジュールを送ってきます。時々はハービーと一緒にライブをやっているので、先日会いに行きました。この歌を歌ってくれました。その後の”Here's To Life”を巡っていろいろ不思議な話があります。それらを書いたニューページがあります。⇒こちらです。あとで見てください。(2010/12)


At my living room, June 22, 2011

ハービーが家に遊びに来ました。外ではよく会うのですが、家に来て居心地が良かったようです。のんびりジャズ談義で話し込んでいきました。私より15歳も若いのです。おーハービー、人生これからだよ。(2011/6/22)

Official Site ⇒ http://www.harveyjazz.com 更新20/4/9

   

2011年9月11日に帝国ホテルでリトルマヌエラ30周年の大パーティがありました。ハービーを招待して、”Here's To Life”を歌ってもらいました。U Tubeにアップしましたのでどうぞ・・・上のYou Tubeとは伴奏のアレンジが違います。彼はシャーリー・ホーンのアレンジを使っていたのですが、私が記録したジョー・ウィリアムスの80年代に歌っていたArtie Butlerのアレンジで歌いたいと、私のところから譜面を持っていきました。(2012/2/3)

 

   

2012年5月7日に150人のお客様を集めてスペシャルライブが開催されました。

⇒ Harvey at Shidax

   

2012年夏はヨーロッパ各地を回り、8月31日〜9月3日に生まれ故郷デトロイトで開催されるDetroit Jazz Festivalに出演する。そのメンバーは、こんな具合だ。故郷に錦を飾るといってよいだろう。(2012/5/31)


渋谷Shidaxでのライブに先立ち、そのトライアルとなるライブが銀座No Birdで行われた。その時のビデオがYou TubeにアップされたとRemiから知らせてきました。(2012/7/8)

銀座No Birdでのライブビデオ


HarveyからYou Tubeのビデオ宣伝が来ました。ガレスピーの代表曲の1つ”Birks' Works”です。インストでしか聞いた事がありませんでしたが、ハービーが歌ってくれました。(2013/3/26)

Birks' Works

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Harvey at MANUELA

2013/6/9

急遽決まったライブです。日曜日に豪華メンバーでのライブです。

⇒ レポート 


還暦ライブ 東京メインダイニング

2016/7/18

振り返ってみると、ハービーが日本に来たときはまだ40代だったのです。

さっきハービーからお礼の電話です。8月15日にデトロイトに出掛けるという報告です。今年もデトロイト・タイガースの野球の試合でアメリカ国家を歌うとのことです。「気を付けて行っておいで」と。(2016/7/20)


オリジナル・ソング

Only Love, Only Peace

 

https://youtu.be/0gI9mhpX54o

このミュージックビデオは、国境、人種、言語、宗教を越えて、私たちが、調和と平和の中で暮らせる、地球本来の美しい場所に思いを込めて制作しています。

全ての人達に正しい教育が与えられ、人間、動物、植物、真の私達の環境のあり方を学べたらどんなに素晴らしいでしょう。醜い差別、破壊し合う戦争、環境汚染、食糧不足による飢餓、心に痛い難民問題 、、、などで泣き叫ぶものがいない世の中を求めます。

調和は、私たちがお互いに分け合い、気遣い、支え合う時にのみ、この世界に存在します。

そして、進歩の方程式は人道を外れてはなりません。テクノロジーの進歩が、私たち人間と調和できてこそ、真の進歩と呼べるのではないでしょうか。未来を担う子供達に、この混乱の世の中を残していく事はできません。

Harmony will only exist in this world when we share, care and support one another.
And the equation of progress cannot be without humanity. We call it true progress only when technological progress can be in harmony with us humans.

Musicians :
Harvey Thompson(vo), Hiroshi Tanaka(pf), Brent Nussey(bs),
Gerald Painia(dr), Simon Cosgrove(sax), Yahiro Tomohiro(perc),
Yuko Sasabe(vn), Taeko Glory(b-vo), Ren(b-vo), Ench(b-vo)

Music (with Arrangement)
Duncan Bray, Harvey Thompson, Remi Bray

Lyrics
Harvey Thompson, Simon Cosgrove, Rakgwale Kubjane, Remi Bray

Copy Rights
E-MONOmonO Enterprises LLC.
(HTR Publishing)
Harvey Thompson Productions

(2022/1/20) Remi Brayより

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Link

⇒ Jo WilliamsとHere's To Life

これが”Here’sTo Life”が生まれたオリジナルの話



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