歌と歌手にまつわる話

(51) マーサーの遺作の詞 When October Goes

Barry Manilow(1943- )
この歌の歌詞はジョニー・マーサーの死後、デスクの上で発見された未完成の遺作であります。この詞をもとに未亡人がバリー・マニローに依頼して完成させたのです。

したがってマーサーの生きているうちのスタイルとまったく違った雰囲気が漂います。マーサーの作詞した歌の中で大変に特異な歌となりました。とても重たい歌です。

草葉のかげでどんな顔をしているでしょうか。多分、あの悪戯っぽい顔をして「うん、うん」とうなづいているのでしょう。

マニローの最初のヒットソングのタイトルは”Mandy”でした。これはマーサーの愛娘の名前です。こんなことからマーサーはマニローのことが他人とは思えなかったという関係がありました。

それで、未亡人はマニローに依頼することにしたものだと言われています。

実際、マーサーが亡くなったのは1976年ですが、この歌が世に出たのはマニローのアルバム「2:00AM Paradice Cafe」1984です。

バリー・マニローは近い将来、フランク・シナトラを継ぐ歌手になるような気がしています。と、私が言い出してから20年も経ってしまいました。(1998/10)

爵士樂堂の一人コーラスがあります。編曲をしているときに世良 譲さんが亡くなりました。そこで、このコーラスは世良さんに捧げて唄いました。WhenOctoberGoes

(2008/3/20追記)

マニロウは73歳になって自分がゲイであることを公表した。70年代の終りに出会ったガリー・キーフという男と一緒に暮し、2014年に正式に結婚したことを認めている。

永い間、公表しなかったのは、「ファンをがっかりさせると思っていたから」だと言っている。

(2019/11/8)


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