歌と歌手にまつわる話

(3) 友情とは美しきものなりA Beautiful Friendship
(in English, click here)


Yasushi Sawada(1939-2017)
at Recital, 1993


John Hicks(1941-2006) and me

たった今、美しい友情は終わってしまった
と君の眼が語っている。
今までは、いつも兄妹のようだったのに
まさに恋のはじまりなのだ。

ナット・キング・コールをはじめ古いシンガー達が唄っています。わたしはフォー・フレッシュメンのコーラスで初めて聴いてしびれた歌です。それを沢田靖司が彼の音楽生活35周年リサイタルでビッグバンドをバックに唄いました。トロンボーンの福村博のアレンジは最高で、沢田靖司が感激して涙を流すほど素晴らしいものでした。歌もちょっとよそでは聞けない名唱です。⇒ MP3サウンド

Donald Kahn(1918-2008)の作曲です。

ピアノのジョン・ヒックスのカルテットが東京でスージー黒岩のライブの伴奏をしました。遅い時間から赤坂のリトル・マヌエラで打ち上げをやりました。スージーに呼ばれて一緒に行きました。そこで、彼を紹介されました。

たまたま、彼のfavorite songが"A Beautiful Friendship"だというのです。「誰か知っているか」といって騒いでいます。知っているのは私一人で、一緒にやろうというので歌詞を2人で思い出しながらやってしまいました。

 
自分のレコードで、この曲を取り上げて弾いています。Johnの好きな曲なのです。

写真は歌詞を2人で「ああだ、こうだ」と確かめているところです。難しい顔をして一生懸命思い出しているんです。ジョンは私と同じ1941年生まれでです。そのせいか、気が合って仲良くなりました。(1998.10)

さて、2002/3/6、4年ぶりにJohnに会いました。Sonny Fortune(As)のカルテットのメンバーとして、臨時にかり出されて来日し、B flatで2晩ライブがありました。相変わらず元気で私の席に来てさんざ話をしました。「一杯飲むか?」と言ったら「後でだ」と言い、つまみだけ手づかみでボリボリ食べていました。何と言ってもジャズメッセンジャースのピアノ、それに今回は歌の伴奏ではなく、彼らのモダーンジャズを心ゆくまで堪能させてもらいました。

アルコールを飲んでいては、あんな激しい演奏ができるものではありません。「後で」と言ったのがうなづけます。実にすごい演奏でした。歌も楽しいですが、生のモダーンジャズは血が騒ぎます。頭が空っぽになりました。

あー、おもしろかったぞ〜!!

(2002/3/6)

John Hicks, 64, Jazz Pianist Active on New York Scene, Is Dead

By Ben Ratliff
May 13, 2006

John Hicks, a pianist who helped define the mainstream jazz aesthetic of his instrument, died on Wednesday in Manhattan. He was 64.

The cause was internal bleeding, said his daughter Naima Hicks.

(2006/5/14)


  Index       Previous Next