歌をつくる人にまつわる話
Story of Songwriters

(68) Thad Jones To You
 
Thad Jones(1923-1986)

ジョーンズ3兄弟は、ハンク・ジョーンズ(pf)、サド・ジョーンズ(tp)、エルビン、ジョーンズ(dr)です。

インストの好きな人には、サド‐メル・オーケストラの斬新さがたまらないと言います。

次男のサド・ジョーンズは小洒落た曲を書きました。その1曲に”To You”という曲があります。珍しいレコードに、ベイシー楽団とエリントン楽団との共演のLP、「First Time! the Count Meets the Duke(1961)」があります。伯爵が公爵に初めて会うというLPです。その中にこのバラードが入っています。

わたしが初めて生の”To You”を聴いたのは、はるか後で1986年にマンハッタン・トランスファー(TMT)が中野サンプラザに来た時でした。

1小節半のピアノののイントロで、♪To You ・・・ と来ました。

これにすっかりいかれてしまいました。マントラらしいなかなか難解なアレンジで歌います。

 

その10年後、オジサン・コーラスがいろいろな歌を歌うようになりましたが、このアレンジを書いても歌えるような力がありません。雰囲気が出せません。

2000年代になって、わたしが音楽監督をつとめる女声ジャズ合唱団が生まれました。この人たちに歌わせようと3声のアレンジをしました。これは当たりでした。みんな気に入って歌ってくれるようになりました。2004年の六本木ジャズクルージングで初めて披露しました。それから11年後の2015年5月にヤクルト・ホールで開催された大コンサートでこの曲を歌いました。耳の肥えた人から「よくあんな難解なコーラス歌ったものだ」と感嘆の声が聞こえてきました。

”A Child Is Born”も”Cocktails For Two”もサドのヒット作です。 

日本人はみな「サド・ジョーンズ」といいますが、Thad Jonesなんですよ。サドじゃありません、Thadです。(2015/9/21)

⇒ ハンク・ジョーンズ

⇒ サドメル/ジャズオーケストラ


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