歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(53) Sy Oliver Dream of You

昔むかしの歌”Dream of You”をうちの奥さんが歌いたいといいます。若い頃にJo Staffordのレコードで聴いたというのです。最近の人は歌っていません。

Real BookにもFake Bookにも主なSong Bookを見ても入っていません。仕方が無いので、Jo StaffordのCDから採譜しました。JoはDbで歌っています。Cにして譜面を作りました。

この歌は1934年にSy OliverがJimmie Lanceford楽団にいたときに2人で書いた歌です。しかも、その時にレコーディングしているのです。もともと、オリバーはトランペッターですが、作編曲、歌も歌いますし、後にはバンドリーダーになります。ミュートで吹いて、それから1コーラスいとも軽やかに歌っています。なんとも格好いいです。


Sy Oliver(1910-1988)

⇒ Sy Oliver Sings, Jimmie Lunceford Plays "Dream Of You"

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つい3日前のクリスマス会でベースの新井ちゃんが「Tommy DorseyのSunny Sideのアレンジは誰だったっけ?」と突然つぶやきました。はい、Sy Oliverです。トミー・ドーシー楽団の編曲家にはPaul WestonとかAlex Stordahlらがいました。

オリバーは1939年にTommy Dorsey楽団のアレンジャーとして雇われました。オリバーの編曲による”On The Sunny Side Of The Street”は大ヒットとなりました。フルバンドの連中はドーシー楽団の”Sunny Side”を必ずといってよいほどやります。なぜかというと、気持ちがいいからです。

昔、ドリー・ベーカーがよく歌ってくれましたが、トミー・ドーシー楽団以上の超スイングでした。私はドリー仕込みの”Sunny Side”を歌って4半世紀です。

Tommy Dorsey楽団のレコードではClark Sisters(The Sentimentalists)が歌っています。

 

”Sunny Side”のオリバーのアレンジは皆んながやってみたくなるのです。マントラまでこのスタイルです。私もついコーラス譜を書いてしまいました。でも、あまりにも誰もがやるので隠してあります。(2011/12/26)

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