ジャズと歴史にまつわる話

船の楽団と日本楽友会
 

日本のジャズの創成期は古いのです。明治末期・大正初めに「船の楽団」と呼ばれたアメリカ航路の客船のバンドがジャズの楽譜をもたらしたとあります。

岡山県出身の前野港造(1897-1977)が大正10年頃(1920年代)から「船のバンド」に参加し、サンフランシスコでセルマー製のサックスを購入し、これが日本のジャズ・サックス史の幕開けとなります。

最後の「船のバンド」は昭和16年開戦直前の北米客船龍田丸に乗り込んだ礒部桂之助楽団で、アメリカ船に拿捕される寸前に、危うく逃げ帰ったという話です。


龍田丸

戦後は、当時のジャズメンは進駐軍のキャンプ巡りから演奏活動が再開しました。そういった古いバンドマンたちの親睦会が1963年に組織され、「日本楽友会」と名づけられました。

初代の会長は礒部桂之助です。日本のジャズの功績者である前野港造を迎えて親睦会が開かれたといいます。

途中で2回ほど潰れそうになりましたが、年に1回、懇親会が開かれて数十人はいつも集まってきます。関西にも日本楽友会関西がありましたが、しばらく前に解散したとの話です。

現在は、5代目の会長、原田イサムのもとで運営されています。数年前から私にも事務局から懇親会の案内が来るようになり、毎回参加するようになりました。(2015/1/30)

⇒ 日本楽友会サイト

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