歌をつくる人にまつわる話
Story of Songwriters

(89) 中川ヨウ produce vol. 37

〜中川ヨウ produce vol.37〜
林正樹 × 藤本一馬 × 北村聡
 

林正樹さんの知性と透明感のあるピアノ。

藤本一馬さんのギターの一音一音から伝わってくる癒し。

北村聡さんのバンドネオンは、天上の澄んだ音を降ろします。

ジャンルをまたぐ音楽活動で評価の高い3人ですが、非常に仲が良く、4年前にJZ Bratで公演し大好評を博しました。一馬さんが米国留学から帰国した今、JZ Bratだけで再演します!ご一緒に美しい音楽に浸り、浄化されましょう。(中川ヨウ)

  


林 正樹(pf)            藤本一馬(gt)       北村 聡(bn)

仲良しの後輩、中川ヨウちゃんからのライブ・プロデュースの知らせが来ました。

何の先入観もなくJZ bratに出掛けました。一晩のライブで、一曲も知っている曲が出て来ないのは、生まれて初めての経験でした。

この夜のプログラムは、3人の出演者のそれぞれが作曲したオリジナル曲ばかりだったのです。いわゆるジャズ的な演奏はありません。スイングなんて古めかしいことはしません。爺さんが聴きなれたジャンルを超えた不思議な音楽でした。

3人が3人ともわれわれの概念にはない新しいメロディーとコード使いでした。リズムも調性も飛んで行ってしまうような難しい旋律と和音です。しかし、美しい展開を聴かせてくれました。

彼らの音楽を理論的に解釈できた人はいたのでしょうか?いるわけありません。

私は「無調音楽」、「十二音音楽」なんて言葉が浮かんできました。クラシックの世界でもモダン化というか前衛音楽が生み出されました。ジャズの世界でも同じように訳の分からない前衛化が進みました。Free Jazz革命なんてご存知か?

ピアノの林君は、先生が佐藤允彦だと言います。佐藤允彦は、あの懐かしいトリプルピアノ(前田憲男、羽田健太郎、佐藤允彦)のメンバーです。サントリー・ホールの舞台脇の2階席から眺めていたものです。一度は、羽健に焼きたての広島お好み焼きを差し入れに行ったことがありました。

バンドネオンの北村君は、師匠があの小松亮太だという。90年代の初め亮太君は10代でした。両親のタンゴ・バンド「小松真知子とタンゴクリスタル」で演奏を始めました。芝のメルパルクホールでタンゴ・コンサートがあった時、2セットの間に、私がジャズ・コンボバンドをバックに1セット歌わされたことがありました。初めて会った頃は、亮太君はまだ坊やだったのです。



ライブも終わって中川ヨウと3人

次回は来年の秋、JZ bratで開催されます。是非、聴いてみてください。

何も分からないお客さんのために、誰もがよく知っているお馴染みの曲を彼らの音楽スタイルに編曲して聴かせてやると、君達が何をやろうとしているのかが分かるかもしれません。

素晴らしい感性を持った若い音楽家3人でした。

写真はヨウちゃんから送って来たものです。私がレポートのページを書くだろうと思っての配慮です。

⇒ 中川ヨウの紹介ページ

(2019/9/6)


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