歌と歌手にまつわる話

(151) ドナ・サマー死去 McArthur Park


Donna Summerl(1948-2012)

ディスコ・クイーンのDonna Summerが63歳という若さで死んでしまった。ガンだったそうだ。2012年5月17日のことである。5月19日の朝刊に死亡記事が出た。

この歌手はジャズ歌手ではないのだが、70年代にいろいろな意味で話題となった”McArthur Park”をディスコサウンドに乗せて1978年に歌ったのを聴いて驚いてしまい、2枚組みのドナ・サマーのLPを買ってきて聴いたものだった。

他の歌は聴いたのか聴かなかったのかも覚えていない。

70年代にはディスコという言葉が出てきた。80年代の後半頃だったか、ディスコが全盛時代を迎えた。若者はディスコで踊りまくった。我々オジサンは冷たい眼で見ていただけである。細々と変わり映えもしないジャズを歌っていたわけである。

おそらく、ドナ・サマーがマッカーサー・パークを歌わなかったら一生知らないまま過ぎた歌手だと思う。たった1曲の歌を歌ったことで、わがホームページに書かれるかどうかの分かれ目になるのだから面白い。
 

 

マッカーサー・パークという歌は「恋はフェニックス」で有名になったJimmy Webbというソングライターの作詞作曲になるものだが、長い曲で7分ほどの長編である。その半ばに32小節のバラード部分があるのだが、それをカーメン・マックレーが大人っぽく歌ったのを80年代初めに聴いてわたしのレパートリーとなった歌だったのだ。

ロックの歌にスタンダード・ジャズの風格

そこで、他に誰が歌っているかを調べたのだが、アイルランドの俳優、Richard Harrisが1968年に歌っていた。どうやらこれがオリジナルものである。サミー・デイビスJr.もフランク・シナトラもカバーしている。主だったものは大体聴いた。

一番すごいのは誰だと思いますか?The Four Topsというモータウンサウンドのコーラスが歌っているのだが、これが最もすばらしい。数年前に死んだ彼らのリード歌手、Levi Stubbsがものすごいソロを歌う。

The Four Tops

この歌の譜面はこの何十年かの間に4通りのスタイルで書いた。カーメンの32小節の8ビートバラードが最初で間奏が難しい。間奏を省いたシンプルなものもある。次が、ドナ・サマーのディスコサウンドを取り入れたバージョン、最後はモータウンのフルバージョンで女声バックコーラスもついている。

譜面(pdf)

ディスコと言っても意外と歴史は長く日本でも60年代、70年代とあったが、バブル時代の80年代後期にはマハラジャ、90年代に入ってジュリアナなどが有名だったが、そういうところに立ち入ったことは一度も無い。ちょっと年とり過ぎていたのだろう。(2012/5/20)

    


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